3つ目の正解・・・・

 え~、お待ちかねの正解ご披露の時間です。

 まずは下の写真をご覧ください。前回の写真のアップをトリミングしたものです。
f0059816_2332393.jpg

 赤く囲んだ部分に注目してください。船首楼甲板後端、舷側をカットした部分の形が違うのに気付かれると思います。「吹雪」は細長い三角形で丸窓が3つ、「初雪」は直角三角形に近い形で丸窓が5つありますね。
 さらによく見てみると、「吹雪」では煙突とマスト基部が見えているのが分かりますが、「初雪」は両方とも船首楼に隠れて見えませんね。
 同じ角度から撮られているのに、こんなに見え方が違うのは・・・・

      「初雪」は船首楼が延長されている

という事に他なりません。「初雪」の5つの丸窓のうち、前3つは「吹雪」のそれと同じ位置にありますので、後ろ2つは延長部分にある・・・・つまり、延長部分は単なる板ではなくて、何らかの「部屋」がある、という事になります。

 これは「初雪」だけの特徴なんだろうか?と思って「丸スペシャル」をめくってみると、延長したのは「初雪」の他に「叢雲」で確認できました。その上、不思議な事に「深雪」に至っては、右舷は原型のままで、左舷のみ延長されています。もし学研本「特型駆逐艦」をお持ちでしたら、写真をご覧になるとともに、折り込みの「深雪」の図面を確かめてみてください。これがちゃんとそう描かれているんです。
 延長された船体は、Ⅰ型改の「浦波」以降の特型に共通する特徴なんですが、「初雪」、「叢雲」、「深雪」はⅠ型ながら、既にこの改良が先行実施されていたんですね。
 特Ⅰ型のうち6隻は、大正15年~昭和2年3月(つまり大正15年度)に起工されているのですが、この3隻だけは昭和2年4月(昭和2年度)の起工となっています。加えて、Ⅰ型改「浦波」も同じく昭和2年4月に起工されています。
 「浦波」を含めた4隻は、Ⅱ型に至る改良を段階的に取り入れた、広い意味での「改Ⅰ型」といってもいいかもしれませんね。細かく分けると、
   Ⅰ型改・・・・「深雪」 → 左舷側を延長
   Ⅰ型改二・・・・「初雪」&「叢雲」 → 右舷側も延長
   Ⅰ型改三・・・・「浦波」 → 両舷延長+煙突&吸気筒の改正
・・・・といったところでしょうか。ちなみにⅡ型の起工は昭和2年度末(昭和3年1月以降)です。

 この違い、私が今までに見た書籍、雑誌、サイトなどでは指摘された方がいらっしゃらないのですが・・・・これに気が付いたのはひょっとして私が初めて?・・・・なんてポン酢な事を考えたりしています。でも図面を描いた人とかなら、簡単に分かりそうな事なので、「そんなわきゃないやろ~」と苦笑いを浮かべております。

 それにしても、素人目には中途半端にも思える「深雪」の改良、各艦各様の改良内容・・・・謎がまた二つばかり増えてしまいました。
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by RZ350RR5678 | 2006-12-12 00:27 | 艦船ちゃん


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